2022年11月、文具・紙製品メーカーのLIFEさんとコラボし、八文字屋のオリジナルノーブルノート「初雪」を発売しました(おかげさまで完売済み)。

発売前の晩秋、「LIFE(ライフ)」さまのご好意で、ノートの製造現場に立ち会わせていただきました。

ライフの製本工場に

一般的なノートは、用紙の背をのりだけで接着する「無線綴じ」という方法で製本されていますが、ノーブルートは「糸綴じ分け折り製本」。

25枚の用紙4束を糸で縫ったうえに、綴じ部分をクロステープで補強します。

丈夫で、用紙が100枚でもバラけない、昔ながらの製法で、丁寧な手作業だからこそ仕上げられるものです。

「4冊合本」などとよく言われている、あの特徴的な厚みのあるノートが、いったいどうやって作られているのか。今日はそれを見せていただきます。


案内と解説をおもにしていただく長山さん(左)と山田さん(右)。もうひとり、熟練の言わば親方的存在である倉田さん(残念ながら不在)との3人体制でノートを手がけられています。


断裁

ノーブルノートの本文用紙は、原料を厳選して抄造(紙料をすいて紙を製造すること)したオリジナル紙「Lライティングペーパー」。

素材感のある風あい、なめらかな書き心地、インクによるにじみや裏抜けの少なさが特長の高級筆記用紙です。

「初雪」で採用した「ホワイト」用紙は、インクのグラデーションを際立たせてシャープな発色をするように仕上げられています。

下が、印刷会社より、どさっと届いた「刷本」と言われるもの。ノートの素です。



最初はこの状態。表紙裏表紙2面、本文紙8面分。


印刷された大きな用紙を、ノートのサイズごとに断裁機でまとめてカットしていきます。





計数(員数)

長山さんの後ろでは、山田さんが次の工程に入っています。



断裁した本文紙の束を員数機という機械にセットし、25枚ごとに緑の仕切りを挟み込んでいきます。


この25枚区切りがノートのひと束になります。


丁合

表紙・裏表紙を25枚ごとに挟み込んでいく作業。



本文13枚、表紙、本文25枚、表紙、本文25枚(以下同)……本文12枚、と重ねていき、同じように、本文13枚、裏表紙、本文25枚、裏表紙、本文25枚(以下同)……本文12枚、と重ねていきます。

「本文13枚・表紙・本文12枚」と「本文13枚・裏表紙・本文12枚」の束を複数つくって、この2束がノート一冊分になるのですが、私は説明されてもピンとこず。

同席していた管理部の横山さん、営業部の小野さんも交じり、代わる代わる説明していただく事態になるも、私の理解力の低さもあいまってその場は混迷を極めました……。



表紙を挟んだ本文の束と、裏表紙を挟んだ本文の束は、マーカーの色で識別します。


ミシン綴じ

表紙・裏表紙と本文を、厚手のテントなど縫う(!)工業用ミシンで綴じます。



これはまさに職人技といった感じで、紙束の中央部分をダダダダダと次々にミシンがけ。



この段階では、まだ左右にページが分かれていない状態なのですが、このステッチのラインが、後の工程でページの分かれ目(折れ目)になります。


この作業は現在、山田さんが一手に担っており、丸一日これにかかりきりのときもあるとのこと。

ミシンもこの作業用に色々とカスタマイズされているそう。というかテーピングがすごいです……。


>>>Vol.2につづく
※八文字屋OnlineStoreのWEBコラム「金曜日の文具」より転載。