書店で働く書店員による投票で選ばれる『本屋大賞』。
2月3日にノミネート作品が発表されました。
本記事では今回選出された10作品をご紹介。
今回選出されたノミネート作品は八文字屋各店で販売中です(*在庫は各店舗に直接お問い合わせください)。


1. 早見和真『アルプス席の母』



秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?

アルプス席の母
著/早見和真
小学館
1,870円(税込)
2024年3月15日 発売
ーーーーーーーーーーー
P354 四六判
ISBN 9784093867139

2. 阿部暁子『カフネ』



法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。

カフネ
著/阿部暁子
講談社
1,870円(税込)
2024年5月22日 発売
ーーーーーーーーーーー
P304 四六判
ISBN 9784065350263

3. 山口未桜『禁忌の子』



救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。

禁忌の子
著/山口未桜
東京創元社
1,870円(税込)
2024年10月10日 発売
ーーーーーーーーーーー
P320 四六判
ISBN 9784488025694

4. 一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら』



カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。

恋とか愛とかやさしさなら
著/一穂ミチ
小学館
1,760円(税込)
2024年10月30日 発売
ーーーーーーーーーーー
P240 四六判
ISBN 9784093867399

5. 野崎まど『小説』



五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。

小説
著/野崎まど
講談社
2,145円(税込)
2024年11月20日 発売
ーーーーーーーーーーー
P224 四六判
ISBN 9784065373262

6. 金子玲介『死んだ山田と教室』



夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。

死んだ山田と教室
著/金子玲介
講談社
1,980円(税込)
2024年5月15日 発売
ーーーーーーーーーーー
P304 四六判
ISBN 9784065348314

7. 恩田陸『spring』



「俺は世界を戦慄せしめているか?」
自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。
一人の天才をめぐる傑作長編小説。

spring
著/恩田陸
筑摩書房
1,980円(税込)
2024年3月22日 発売
ーーーーーーーーーーー
P448 四六判
ISBN 9784480805164

8.朝井リョウ『生殖記』



とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。

生殖記
著/ 朝井リョウ
小学館
1,870円(税込)
2024年10月2日 発売
ーーーーーーーーーーー
P290 A5判
ISBN 9784093867306

9. 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』



成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

成瀬は信じた道をいく
著/宮島未奈
新潮社
1,760円(税込)
2024年1月24日 発売
ーーーーーーーーーーー
P208 四六判
ISBN 9784103549529

10. 青山美智子『人魚が逃げた』



行こう、あなたと。
家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出る。
絶賛沸騰の王道ファンタジー!

人魚が逃げた
著/青山美智子
PHP研究所
1,760円(税込)
2024年11月14日 発売
ーーーーーーーーーーー
P232 四六判
ISBN 9784569857947