人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな

蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。

あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。
今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。

――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。

イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。


人間標本
KADOKAWA
1870円(税込)
2023年12月13日 発売
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P280 四六判
ISBN9784041142233